AIを活用して真のリーダーになるには~未来のツールW.I.T.C.H. ~

2023年8月17日 | 分程度で読める記事です
Please select some categories on More Settings section.
By

Bob Wollheim

AIにリーダーの座を奪われることはなくても、AIを活用できる人材が相手だとどうでしょうか。

まず、はじめに。あなたは、リーダーとして、目の前にあるAIの可能性に魅了されていますか?そうでなければ、残念です。私はAIがもたらすリスクや影響を考慮していないわけではありません。むしろよく理解しているつもりです。ただ一つ自信を持って言えるのは、私たちは現代において最も重要な革命の一つを体験しているということです。うまくいくかもしれないし、いかないかもしれない。ただ、今この瞬間に生きていることに魅力を感じないわけにはいかないのです。

この大きな変化に恐怖をも感じますが、魅力の方がはるかに上回ります。

本記事では、AIが私たちリーダー層にもたらす、数週間先には訪れるであろうシンプルなビジネスチャンスについて、いくつか深堀りしていこうと思います。これは遠い未来の話ではなく、数週間や数ヶ月ですべてが明らかになるもので、哲学的な話ではありません。リーダーシップにおけるAIの影響は、私たちを日々サポートするデジタルツールよりも、もっと奥深いものになるはずです。それでは、本題に入りましょう。

まず、少し立ち止まって、私たちがリーダーとして日々何をしているのか考えてみましょう。

ChatGPTに、私たちがリーダーとして日常的に行っていることについて聞いてみましょう。「ハーバードビジネスレビュー(LINK)が行った調査によると、リーダー層は業務時間の平均72%を会議に費やし、そのうちの54%は定例ミーティングです。また、マッキンゼー・アンド・カンパニー(LINK)の調査によると、リーダー層は平均20%の時間をコミュニケーションに、25%を人材管理に、25%を戦略に、30%を問題解決や意思決定などその他の活動に費やしている、とされています。」

結論を出す前に、ひとまずリンク先を確認することにしたのですが、予想通り、ChatGPTの回答は正確ではありませんでした。その旨を再度ChatGPTに投げかけてみたところ、謝られ、さらに関連データを渡されましたが、先程の回答を裏付けるものではありませんでした。そこで、更にもう一度質問をしたところ、そのことについては決定的な証拠がないと言われました。そこで、同じことをGoogle検索で確認してみました。ばからしいと思う人もいるでしょう!この点については、また本記事の最後で言及させてください。

ChatGPTとGoogleが、私たちリーダー層が様々な活動に費やす時間について決定的な証拠を提示してくれないなら、ひとまず自分の経験を例として使ってみます。皆さんも似たような体験をしているのではないでしょうか。もし違っていたとしても、ここからの記事を読み進めるにあたって、何の問題もありません。

私は業務時間の80%を会議に費やしています(やれやれ・・・)。しかし、この会議の中には、私が時間を費やしている他の活動に関係しているものも多くあるのです。

私が業務に費やす時間の40%が純粋な会議(コミュニケーション)であると仮定します。残りの60%(その大部分は会議中に行われます)は、クリエイティブ/戦略的思考(20%)、人脈(20%)、意思決定(15%)、その他(5%)に分けられます。

その結果のもと、私がリーダーとして行った各活動に、あなたを招待するので、ぜひ頭の中で想像してみてください。先程もお話しした通り、これは遠い未来の話ではありません。2023年、そして2024年にこれらすべてのことが起こるのです。さらに詳しく見てみましょう。


ミーティング(コミュニケーション)

オンラインとオフライン両方を取り入れたハイブリッドの働き方が主流となった現代では、会議は主にGoogle MeetやMS Teams、Zoom上で行われます。このようなツールは私たちの会議内容を聞き取り、多くのデータを蓄積しています。数週間後、MSが新しい機能アップデートをリリースしたら、AIがこれらのプレゼンテーション資料を読み込むことができるようになります。さらに、主催者がドライブ上の会社のファイルへのアクセスを許可していれば、AIはこれらにもアクセスすることができます。(セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスの問題をチェックした上で、行うことが必須となります。)

これが実現すれば(数ヶ月どころか数週間で)、すべての会議で最も情報に詳しく、感情に左右されない、超実利的なデータを手に入れることができます。このAIツールを「W」と呼ぶことにします。Wはウェブにアクセスすることはありません(私たちが要求した場合は別です)。Wのデータは、推測でもなく、ウェブからのものでもなく、すべて実際にドライブ上にある会社のデータや、会議で得られるプレゼンや会話などの情報に準拠したものです。

「W、このミーティングはうまくいっていますか?良い結論に達しましたか?どの意見が良かったですか?あなたの提案は何ですか?」「W, この会議で意見はまとまっていますか、それとも散らばっていますか? もっとアイデアを出すことはできますか?より早く意見をまとめるのを助けてくれますか?」「W、私たちが下した主な決断と、まだ決めなくてはならない事項は何ですか?」「W、私たちはここで行き詰まっているようですね。データにアクセスして、会議を前進させるのに役立つデータがあるかどうかチェックしてもらえますか?」「W、安全な方法でウェブ検索をして、私たちの意思決定をサポートするデータを持ってきてもらえますか?」「W、この会議で全員が発言することができますか?」「W、良い結論に至ったので、決定事項をまとめたスライドを確定して、Muralで整理、Trelloボードにタスクを設置することはできますか?」 「ありがとうございます、Wさん!さすがです!」

これらは基本的なアイデアに過ぎません。Wはもっと多くのことができるようになります。例えば、男女差別、高圧的な態度、人の話を聞かない人、職場で起こりうるトラブルなど、非常にデリケートな問題をも特定し、それらに対処することができるようになります。

私は、会議にWがいることに純粋に魅力を感じています。あらゆる意味でリーダー力を高めてくれるでしょう。


クリエイティブで戦略的な発想

このトピックは、おそらく最も革新的なものでしょう。遠い未来ではなく、何週間か先のビジネスの現場をもう一度想像してみましょう。

私たちの中には、MuralやMiroのようなオンラインボードを使って(もしまだ使っていないなら、ぜひ使ってみてください)、アイデア出しや意見交換、意思決定、戦略建てをサポートしてもらっている(これ以外にも使い道はたくさんあります!)チームも多いのではないでしょうか。これらのツールでは、オンライン上で付箋を用いて何人もが共同でアイデアを出し合ったりすることができます。そこで、MuralやMiroがAIを搭載した新バージョンをリリースしたと想像します(もしMiroが先にこれを実現したら、私はMiroに乗り換えます!)。このバージョンは、私たちがアイデアを書いたオンライン付箋や資料をすべて読み、ドライブにアクセスすることもできます(繰り返しますが、コンプライアンスは守った範囲で)。また、私たちが持つデータ、過去のMuralやMiro上で行われた会議の履歴、資料、ドキュメントなど、すべてにアクセスすることができます。そして当然、これをリモートで行えば、Teams上のAPIへのアクセスも許可されるので、会議で話したことはすべてAIのデータに追加されることになります。

これは、アイデア(ideas)から取って「I」としましょう。

"I、高所得のお客様におけるカスタマージャーニーを、いくつか付箋に書き出してもらえますか?店員側のジャーニーは?」「I、今作った付箋の内容を要約して、私たちが見落としていることがあれば教えてくれますか?」「I、このセッションを手伝ってくれませんか?議論に集中しすぎていて、まだ何も決定できていないんです。どうしたらいいでしょうか」「私たちのデータを見て、以前成功した同じような試みがあるかどうか調べてもらえますか?また、安全にアクセスできる外部の情報と照らし合わせてもらえますか?」「会議が終了しました。次に何をすべきかを決め、次のセッションの準備、プレゼン資料の更新、今回の会議を記録したドキュメント作成、Slackの更新、チームに送る動画の作成を手伝ってもらえますか?」「I、素晴らしい!あなたのアイデア、ファシリテーションのおかげです。」

参考資料: AI or Crypto: Which Has Had the Bigger Impact?

こんなことができるなんて、素晴らしいと思いませんか?

創造とイノベーションの力が飛躍的に高まり、生産性の向上に繋がります。


社員同士の繋がり

これは、少々厄介なテーマです。私たちリーダーの(非常に重要な)仕事の一つは、人とつながることであり、最近ではリモートで行われるケースも増えてきました。これはアクティビティというより、ヒトに焦点を当てたテーマです。

今回はGoogle Meetを例として使いましょう。また、これから私が説明する状況を数週間先のこととして想像してみてください。

私たちが、Google Meetを通じて、1対1でオンラインミーティングをしているとします。Googleが、私たちのコミュニケーション能力の向上をサポートすることを目的としたパーソナルコミュニケーションツールをリリースしたとしましょう。これを ”talk” から取って、「T」と呼ぶことにします。Tは、私たちのコミュニケーションを改善する、いわゆる拡張機能になります(もしかしたら、このようなものがすでに世の中に存在しているかもしれません。もし知っていたら教えてください!)

ミーティング中、相手の画面には何も表示されませんが、あなただけに見えるパネルに、相手との会話をより円滑にするための関連情報などが表示されます。誰が話しているか、アイデアの明瞭さ、理解度、会話の流れ、あなたの話し方や相手の感情など。ダッシュボード上で、Tのサポートを受けることができます。

「T、私の話し方は分かりやすいですか?」「T、私が話していることは受け入れられていますか?相手のリアクションはどのようなものですか?私が言っていることを要約してください」「T、相手の言っていることがよくわかりません。」「T、この会話はうまくいっていません。何か提案はありますか?「私は話しすぎですか?高圧的ですか?」「T、あなたのおかげで、私の言いたいことを正しい感情で明確に伝えることができました、ありがとう!」

多くの問題はコミュニケーションから起こります。このようなツールがどのように役立つかご存じですか?すべてのミーティング内容を自分なりに要約し、参加者があなたの言っていることを理解しているかどうか、あなたが話しているときの雰囲気、あなたが話を聞くだけになっていないか、話しすぎていないか、さらにはあなたのスタイルや改善案を確認することができると想像してみてください。

これは私もぜひ使ってみたい!



意思決定

これは、極めて重要なテーマです。知識豊富で、感情や衝動に動かされることが少ないほど(これを、リーダーに不可欠な直感や度胸、経験と混同しないように注意してください)、より良い決断ができるとされています。

課題は、その知識や情報を、組織内でしっかりと共有することです。

ERPやスプレッドシート上の財務情報から、会議で交わされるすべての会話、何万もの資料、プレゼンテーション、ピッチ、提案書、フィードバック、評価などなど。その情報量は、あらゆる種類の生命体が存在する海のようです。

リーダーとは、すべてを把握することができるが、あまりにも詳細な情報を持ちすぎて注意散漫になることもない、そして、企業のハイレベルな情報にアクセスするだけで、どのような競争の中にいるのかを理解することができる人のことをいいます。これに、社内のあらゆる会話、出来事、外部からの情報、思考、直感、信念、リスクテイクを混ぜ合わせています。

非常に難しいですね、現代のように変化の激しい時代では尚更です。

ここからお話しする内容は、これまでよりは少し遠い未来の話になるかもしれません。数か月ほど先についてです。MicrosoftやGoogleなどといった企業は、これから例に出すようなものを作るためのあらゆるツールを備えていますが、もう少し複雑なものを想定してみてください。

参考資料:The Rise of Generative AI: Understanding Its Future in Business Processes

これから想像していただくツールは、これまでにない新しいものです。これを「C」と呼びます。Cは、YとIのAPIからのすべてのデータを含み、組織内のすべてのデータにアクセスすることができます。すべての資料、ドキュメント、スプレッドシート、ERP、人材管理などの、すべてのシステムにもアクセスします。企業のデータが利用できることで、Cはより多くの情報に基づき、より積極的で、より迅速な意思決定をサポートすることができます。より複雑なツールですが、これも実現可能です。

もしChatGPTが世界中の情報にアクセスし、すばらしい能力をみせてくれるなら(これはまだ始まりにすぎません)、もし、より多くのデータが含まれ、より整理され、リーダーたちがより良い意思決定プロセスのためにそれをどのように使うかを知っていたら、と想像してみてください。

「C、私の直感では、そろそろ私たちの提案や価値観を新しくする時期だと思います。私が販売サイクルや市場を見てきた中で感じたこの直感を裏付けるようなデータ、トレンド、およびファクトを確認するのを手伝ってもらえますか」、「C、私たちには測定するものがたくさんありますが、現在のマクロ経済の状況により、最も重要なものに優先順位をつけるのを手伝ってほしいのです。どのような指標を見るべきでしょうか。また、それらの指標のどれかに異常が起きているかを確認できますか?」、「C、稼働率が心配です。私は全員参加の会議を行いたいので、皆の不安を解消したいのです」、「C、私だけでは気付けなかったことを多くのことを明らかにしてくれました、本当にありがとう!」

なんて素晴らしいツールなんでしょう!こんなものがあれば、より良い決断を下すことができますね。

Cに手伝ってもらえたら、こんなに幸せなことはないのではないでしょうか。


きっかけ作り

これが、私たちのリーダーとしての日々の活動についての最後のトピックとなりますが、AIが私たちをどのように助けてくれるのかにおいて、おそらく最も難しいトピックです。

ChatGPTを使って、少し考えてみましょう。「一般的に、AIはリーダーがよりダイナミックで革新的な環境を作り出し、偶然な出来事が起きた時の可能性を広げるのに役立ちます。AIの力を活用することで、リーダーはイノベーションと創造性を促進し、組織により良い結果をもたらすことができるでしょう。」

Chat GPT、ありがとう。あなたのおかげで、またしても有効な提案ができました。次に行うのは、AIを使って私たちの日常を少しランダム化することです。かつては当たり前で、うまくいっていたオフィス勤務は、ハイブリッドな働き方という選択肢によって衰退しつつあります。数年のリモートワークを経て、出社するようになった人たちでさえ、より慎重に仕事をするようになりました。職場における自発性や偶然生まれるアイデアなどがかつてないほど減っている一方で、意図を持って働く人が増えました。

仕事中の生活を変化させてくれるツールを想像してみましょう。これを「H」とします。Hはハプニングやチャンスを意味し、Rは「技術的かつ怖い」ということを意味します!ところで、CI&Tでは、Coffee Buddyというツールを開発したことがあります。このツールは、社内の誰かとランダムにつながり、お互いにミーティングをセッティングしてくれるものです。Hは、偶然性を強化するものであり、人と人をつないで話をさせるだけでなく、話題を提案したり、会話やプロジェクトのきっかけになりそうな資料を送ったり、共通の趣味を特定したりするものです。繰り返しますが、すべてコンプライアンスを遵守しています。

「H、私たちのオファーのために新しいGTM(Go-To-Market:自社の商品やサービスを顧客へ届けるまでの流れををまとめた戦略)を考えています。誰に相談すれば良いですか?」「H、私はリーダーがAIからどのような恩恵を受けられるかについての記事を準備しています。このトピックに興味のある人は社内にいますか?私の一日に良いエネルギーをもたらしてくれる人に紹介してくれませんか?」「H、私はブラジルからアメリカにVWバスを持ち込もうと考えています。誰かいいアイデアを持った人と巡り合えますか?」「H、今日は私の記事について素晴らしいおしゃべりができました!ありがとうございます。」

これはあまり効率的ではないように見えるかもしれません。しかし、私たちは皆、組織における物事は、会議だけでなく、偶然のつながりや人と人とのおしゃべり、革新的で創造的であるための安全な空間づくりを通して起こります。特に、新型コロナウイルス流行の2年後に意図的に行動を起こすようになった世界では、Hは重要な役割を果たすことでしょう。

「ソフトウェアが世界を食べている」(Marc Andreessenより)、「そしてAIがメニューを変えている」(Cesar Gonより)と言われているのなら、私はAIを駆使したリーダーが新メニューを構築すると補完します。マネジメントとリーダーシップは、AIの時代に大きな影響を受けるでしょう。重要なことですが、私はAIを活用したリーダーは、やり方が間違っていなければ、より人間的で、より思いやりがあり、より共感的な存在になると信じています。AIを活用した新しいリーダーは、リーダーを奮い立たせるというより、むしろまとめる役となり、AIはそのために使用するツールのひとつとなるでしょう。

AIがどのようにリーダーシップを強化するかについて、これらの仮説的で些細なアイデアを使うだけで、私たちは皆、より賢く、速く、効率的なW.I.T.C.Hリーダー(Why - なぜ, Ideas - アイデア, Talks - 会話, Conclusion - 結論, and Happenchance - 偶然性)になることができるのです。リーダーシップの役割がAIによって新しく生まれ変わるときを想像してみてください!

革命が起きているのを見て、興奮しないわけにはいきません。私は、わくわくしています。恐怖を感じる人もいるかもしれません。その恐怖に身を任せるのもいいのではないかと思っています。

このすべてを体験できる世界に生きているのはとても興味深いことです。私は魅了されています、あなたも同じではないですか?

ChatGPTに関する注釈:なぜ私がこの記事の冒頭で「GPTは正しい」と言ったのかについてご説明します。それは、私たちがリーダーシップにAIを取り入れない限り、AIが私たちに取って代わることはなく、単に私たちを強化するものだということをお見せしたかったのです。これは、正しく完璧な回答や決断、優れたコミュニケーションとは別物の、すべてをより良く、より速く、より正確に、より効率的にするためのツールです。そして、私たち全員がこれを正しく活用すれば、より創造的で楽しい世界になると信じています。


Bob Wollheim

Bob Wollheim

Partner, EVP, CI&T