スタートアップのように俊敏に動き、大企業のように柔軟に反応できるようになろう

デジタルトランスフォーメーション / デジタル変革 / DX
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CI&T

互いに密接につながった世界において、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)は進化のための変革として避けられません。

多くのコンサルタントや機関が、DXのモデルが顧客のビジネス全体をすっかり変え、大改革を起こすだろうと断言しています。スピードや新たなテクノロジーを求めて機敏に動こうとしても、たいていの企業ではそれが長続きせず持続可能でもないことを思い知ります。

CI&Tが創立した25年前、新たなテクノロジーを実装し、それを活かせるようチームを訓練することには、必ず時間がかかるのだと分かりました。組織全体が運営モデルを変えることは、トレーニングや段階的な実装なしでできるような、即時性のある変革ではありません。ひとつの会社がデジタル的な成熟を達成するために何が必要か、ポイントを絞って記載された詳細なリストなどないのです。それは果てしない取り組みであり、やりがいがあるものです。

当社にとって真の変革は、「リーン」を発見した時に始まりました。リーンは1950年代に生み出された方法論のひとつで、問題に立ち向かいそれを解決するやり方を変えることで会社の業績を改善しようというものです。リーンの原則とプロセスをデジタルチャネルに適用することで、当社は現在「リーンデジタルトランスフォーメーション」と呼ばれるトランスフォーメーションモデルを開発しました。

学ぶためには行動が必要

リーンを説明するには、eコマースに注目してみるのもひとつの方法です。eコマースでは、デジタル体験のサポートに優れた販売環境、市場や消費者が求めるスピードに対応できる敏捷性を持った販売環境を常に生み出す必要があります。リーンを使うと、これをどう解決できるのでしょうか。私たちは創造と発展を続けています。そして、その継続的な発展を通してこそ、新たな機能や製品の創出が可能となるのです。しかし、これを首尾よく行うには、従来のシステムのアーキテクチャを変える必要があります。レガシーシステムが革新的なアイデアの足かせとなるのはよくあることです。しばしばこうした伝統的なシステムが、最新の製品やサービスの複雑さ、スピード、多様性に対応しようと力み過ぎてしまいます。

プロセスをより柔軟で、素早く順応できるものとするためには、システムのアーキテクチャをレガシーシステムから分離し、そうしたシステムへの依存度を低くする必要があります。これに対処する方法として、API管理やマクロサービスのような、機能を個別に開発できるツールを使うことができます。新しいインターフェースやシステムが自然な形で自主的に導入されていくような、段階的な変化が理想的といえます。

敏捷性のある環境に加えて、リーン思考も、チームがシームレスにルーチンに取り入れていけるシンプルなプロセスを実現します。新たなシステムとメソッドをチームメンバーが身に付けたら、今度はそのメンバーが、組織内で変化を推し進める力となる――リーンの中核となる原理です。行動パターンに影響を与えるプロセスを適用することで、その行動が組織内の文化を変化させます。これが組織内で少しずつ起こるにつれて、市場で求められるスピードと品質で着実に届ける準備が、組織の中で徐々に整っていきます。組織内文化の変革が、持続可能なDXを達成するためのカギなのです。

組織内文化の変革

チームの活動方法を変えるこうした主要プロセスの適用に加えて、問題解決へのアプローチを的確に判断することも重要です。単に犯人が誰(何)なのかと犯人捜しをするのではなく、問題は学びの最大のチャンスであると捉え、その問題の根本原因を探すのです。

CI&Tのトランスフォーメーションではまさにここが正念場となり、A3手法により新たなコンセプトの導入を円滑に行えました。A3手法とは、ヨーロッパ版の紙サイズ「A3」(アメリカ版のタブロイドサイズ11インチ×17インチとほぼ同じ)のシート上に問題点と解決方法のアクションプランを視覚的に表現するものです。最初に問題を明らかにし、次にそれを解決するために原因を記し、アクションプランを作ります。

変革はリーダーから始めよう

チームメンバー全員がより積極的かつ生産的に関われるように、ビジネスリーダー側から働きかけていく必要があります。つまり、リーダーの役割の重要性が高まります。リーダーは自ら模範を示し、新たなコンセプトやプロセスの変化を率先して受け入れ、深く理解する必要があります。また、リーダーはプロジェクトのあらゆる局面に積極的に取り組まなければなりません。「Gemba(現場)」ツールは、リーダーがチームメンバーと肩を並べての作業に関与するために非常に効果的であることが実証されています。このツールの目的は、リーダーが積極的な役割を果たし、チームを解決策へと導くことです。

リーンにおいては、リーダー自らが積極的に関与し、さらに組織の内部構造や顧客への価値を高める方法についてきちんと理解しておくことが求められます。リーダーは自ら学びスキルを開発し、組織やチームについて誰よりも深く理解しなければなりません。さらにリーダーには、状況を的確に把握し、今後の可能性やチャンスを見極める能力も求められます。

リーンDXの試みには終わりがなく、絶え間なく変革を導入していかなければなりません。これは従来体制からの脱却であり、リーダーは常に現状に挑戦し、改善の余地を見いだすことが求められます。リーンDXには、こうした首尾一貫した実践が不可欠です。

チームを変える

リーンの実行には、強力なリーダーシップが不可欠です。しかしそれだけでなく、各チームメンバーもトランスフォーメーションの取り組みに積極的に関わらなければなりません。チームメンバーが日常業務を実行しながら、共感などのスキルを開発することもリーンの原則と言えます。様々な専門分野環境で作業するチームは、別部門のチームメンバーについてきちんと理解して円滑にコミュニケーションをとり、生産的に協働していかなければなりません。たとえばクリエーターやマーケティングマネージャーとのコミュニケーションは難しいと感じる開発者もいるかもしれません。それでも、ひとりひとりが他チームメンバーの業務に積極的に関わり、相手の仕事や人となりを互いに理解し合うにつれ、コミュニケーションは向上するものです。

DXに着手するにあたり、まず仲間やビジネスについてよく理解し、さらにリーンを実現するにはたえまない努力が必要になることも念頭に置いてください。リーンでは、常に学び続け向上し続けるチャレンジ精神が求められます。

迅速に試し素早く習得するため、顧客を正しく理解する

20年以上に渡るCI&Tの経験により、2つの重要な洞察が得られました:ひとつ目は、顧客についてきちんと理解することが肝心ということです。単に顧客の行動を理解するだけではなく、顧客の行動やモチベーションが「どのように変化するか」についてもよく理解します。これを念頭に置き、関連する体験の設計により、オムニチャネルソリューションでの創造性が広がることが判明しました。

二つ目の洞察は、スピードが重要だということです(ただし、品質は決して落とさないこと)。上述のように、目まぐるしく流動する市場にうまく対応するには、着実な試験・実験を行い、常に学んでいく姿勢が求められます。つまり、理論を定義し、セオリーに基づいて小規模の製品や機能を開発して試験を行い、それに従って調整することを意味します。迅速に試験を行い、素早く習得して、短期間で目標を達成するという考え方です。こうすることで、会社は様々なアイデアを少しずつ試みることができます。

大変革を達成して画期的な成果を上げるには、DXが不可欠です。従来の方法論では、変革が制限される可能性があります。一貫した現状への挑戦とは、会社がデータ分析ツールの長所を有効に活用し、さらに消費者向けの製品を最短時間で開発するために、学んだインサイトを利用していくということなのです。


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