【事例】Itaú:南米最大のメガバンクが挑んだ、AIとリーンによる大規模デジタル変革

2026年5月12日 | 分程度で読める記事です
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8年分のバックログを3年に短縮。
AIを活用したレガシー刷新で、デジタルネイティブへの対抗力を獲得

南米最大の金融機関であり、世界有数の資産規模を誇るItaú Unibanco(イタウ銀行) 。

同行は2016年、急速に台頭するフィンテック企業(NuBank等)との競争が激化する中、CI&Tを戦略的パートナーに選定しました。
伝統的な金融機関がいかにして組織文化を塗り替え、最新テクノロジーを味方につけたのか、その変革の軌跡をご紹介します。

チャレンジ:複雑なレガシー環境と「スピード」の壁

デジタルネイティブな競合他社がクラウド技術を武器に顧客を急獲得する一方で、
Itaúは以下のような構造的な課題に直面していました。

レガシーシステムの限界

古いメインフレームや複雑に絡み合ったシステムが、新製品リリースのスピードを阻害。バックログ(開発待ち案件)の解消には「8年」かかると推定されていました 。

組織のサイロ化と不透明性

部門ごとにデータが分断され、意思決定に必要な「単一の真実(SSOT)」が欠如。財務報告や投資製品の開発に多大な工数を要していました。

顧客体験の停滞

アプリの評価は3つ星に留まり、次世代の顧客層に「未来の銀行」としての価値を届けられずにいました。

ソリューション:
Lean Digital と生成AIによるモダナイゼーション

CI&Tは、単なるITベンダーとしてではなく、組織文化とテクノロジーの両面からアプローチする「Lean Digital Transformation(LDT)」を提供しました 。

生成AIを活用した「リバースエンジニアリング」

CI&T独自の「Modernization Studio(モダナイゼーション・スタジオ)」を導入。生成AIを用いて、ドキュメント化されていない数百万行のレガシーコード(COBOL等)を解析し、Pythonなどのモダンな言語への移行を劇的に加速させました 。これにより、属人化していたシステム構造を透明化し、安全なクラウド移行(AWS)を実現しました 。

AI搭載バックログ・リファイナーの導入

1,000人以上のユーザーを対象に、AIを活用した「バックログ精査エージェント」を展開。毎月4,000件以上の高品質なユーザーストーリーを自動生成し、ストーリーの質を30%向上させました 。

現場(Gemba)中心の文化変革

ブラジルの金融業界では、年末のシステム凍結(フリーズ)を控えた11月が「最も開発スピードが上がり、何が何でもリリースさせる月」として知られていました。CI&Tは「その11月の集中力とスピードを、アジャイルによって毎月の当たり前にしよう」と提案しました。これが「Every month is November」というスローガンになり、結果として開発サイクルが劇的に短縮されたのです。年1回のバッチ処理的な開発から、スプリント単位の継続的デリバリーへと移行。リーダー層が現場に赴く「Gemba」の習慣を定着させ、命令型から協調型のリーダーシップへと組織を刷新しました 。

成果:測定可能なインパクトと収益の最大化

この大規模な変革により、Itaúは金融業界におけるデジタルリーダーとしての地位を再確立しました。

開発効率の劇的向上

アプリケーションあたりのエンドツーエンド効率が48%向上。当初「8年」必要とされたバックログが「3年」へと大幅に短縮されました 。

デリバリーサイクルの加速

ITプロジェクトのリードタイムが従来の400〜700日から、平均70日へと約10倍速に 。

財務的リターンの向上

投資製品の開発加速などにより、月間2億6,000万レアル(約70億円)以上の増益効果を達成。

「CI&Tは、アジャイルやリーンといったマインドセットを我々の組織に定着させてくれた重要なパートナーです。
この長い変革の旅路において、彼らがコアパートナーであることを心強く感じています。」
—— Ricardo Guerra 氏(Itaú Unibanco CTO)

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