AI時代に選ぶべき開発手法とは? アジャイルとウォーターフォールの違いを大手製薬会社のDX事例も含めて解説

2021年11月12日 | 分程度で読める記事です
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CI&T

本記事では、システム開発やDXプロジェクトの現場で必ず議論になる「アジャイル開発」と「ウォーターフォール開発」の根本的な違いを解説します。さらに、多くの企業が直面するアジャイル導入の壁を打破するために、CI&Tが実践している「リーン・アジャイル手法」の本質と、変化の激しいAI時代における優位性について、通信・製薬業界の具体事例を交えて紐解きます。

アジャイル開発とウォーターフォール開発の違い

chart comparison of waterfall and agile japanese

アジャイル開発とウォーターフォール開発は、システムやプロジェクトの開発にてよく耳にする手法です。
 
ウォーターフォール開発は従来型とも呼ばれ、品質や計画性に優れていますが、途中の仕様変更に対応しにくい弱点があります。
 
一方で、近年注目されているアジャイル開発は大まかなシステム像が決定したら、詳細決定よりもまずは着手という考え方をもとに、一気にリリースまで行うスピーディな手法です。リリース後に、改善を繰り返すことを想定しているため、途中の仕様変更も即対応できる柔軟性があります。
 
次項では、アジャイル開発とウォーターフォール開発について、それぞれの詳細と特徴を解説し違いについて紹介していきます。

アジャイル開発とは

アジャイル開発とは、計画・開発・テスト・リリースを数週間の短期間で「反復(イテレーション)」しながら成果物を積み上げていく開発手法です。

アジャイルとは日本語で「俊敏」「素早い」ことを意味し、従来型の手法よりもリリースまでの期間が短くスピーディであることが特徴です。リリース後に、ユーザーやクライアントからの要望に応じて、内容や使用を改善していくことを想定しており、柔軟性のある対応を実現できます。

ユーザーやクライアントへスピーディにシステムの提供を可能にするとともに、不足している部分やバグ修正対応などアップデートによって迅速に改善していくことも可能です。

また、完成させることが考え方の前提にあるため、従来型よりも完成状態で念入りにテスト・確認を行えるリソースがあるため、提供後のシステム不備が少ないという特徴においても、開発が終わってから一気にテストを行う従来型と比べ大きな利点です。

ウォーターフォール開発とは

ウォーターフォール開発は、古くから使われてきた従来型の開発手法です。

「滝」がその名の由来であり、上から下へ順番に流れていくイメージにならい、計画・開発・テスト・リリースの開発工程を順番に行います。工程が完了してから次の工程に進むため、品質が担保され、計画や見積りがしやすいことが特徴です。プロジェクトの進捗がシンプルでわかりやすいこともプロジェクト管理をする上でのメリットとして挙げられます。

しかし、滝のような工程を踏むため、逆流(後戻り)は難しくなるのが難点です。つまり、前回工程の仕様や要件変更に対して、柔軟な対応ができないということになります。そのため、クライアントの途中変更の要望やある工程で不備が生じると、リリースまでに時間を要してしまうデメリットがあります。

アジャイル開発とウォーターフォール開発のメリット・デメリットを比較

以下の表にて、アジャイル開発とウォーターフォール開発それぞれのメリットやデメリットをまとめてみました。

 メリットデメリット
アジャイル開発スピーディにリリースできる
仕様変更にも柔軟に対応できる
開発の軸がブレやすい
ウォーターフォール開発計画が立てやすい
軸がブレにくく品質が高い
開発期間が長い
途中の仕様変更が難しい
 

アジャイル開発とウォーターフォール開発を比較すると、「リリースまでのスピード」と「仕様変更への対応」の視点において、大きな違いであることがわかります。スピードと柔軟性は一見、よい点にだけ目が向きますが、裏を返すと軸がブレやすく品質に影響する可能性も出てきます。そのため、プロジェクトの特徴や規模によって開発手法の向き不向きがあります。

アジャイル開発は、スピード感の求められるスタートアップ企業のサービス開発やユーザーの声を受け、機能強化していくこと前提とした開発には最適です。一方、ウォーターフォール開発は、品質が重要視され開発過程において仕様変更が発生しにくい開発環境に向いています。例えば、通信システムや自動車や機械の組み込みソフトなどが挙げられます。

変化の激しい時代におけるアジャイル手法採用の優位性

a man looking at computer screen inside an arrow

アジャイル手法の採用において、以下の優位性が挙げられます。

● 動くサービスやシステムをいち早く世に出すことができる
● 主要な機能から順番に段階リリースできる
● 間違いがあっても後戻りが少ない
● 比較的柔軟に仕様変更できる
● 顧客ニーズに寄り添ったものを構築できる

このように、リリースしたシステムやプログラムを実際にユーザーに使ってもらい、そのフィードバックを開発に活かすことがアジャイル開発では実現できます。その結果、顧客ニーズに寄り添ったものを開発できる点においては、アジャイルならではの大きな優位性となります。

【CI&Tのアジャイル手法】リーン₊アジャイル開発

agile in the digital screen and a hand about to touch

E2E(エンド・ツー・エンド)のデジタルトランスフォーメーションパートナーであるCI&Tは、現在アジャイルソフトウェア開発やプラっとフォーム開発など事業を行っています。

しかし、CI&Tも当初からアジャイル手法を使っていたわけではありませんでした。元々は、従来型のウォーターフォールの開発手法でシステム開発を行うベンダー企業としてスタートしていましたが、2006年にある顧客企業からアジャイル手法で開発してほしいという声をいただいたことをきっかけに、2009年には完全移行を果たし、アジャイル企業としてサービス提供するに至りました。

アジャイルにおけるよくある課題

アジャイル手法はメリットばかりではなく、以下のよくある課題が指摘されます。

● 計画・スケジュールが立てにくい
● 予算を見積りにくい
● 開発を進めているうちに軸がブレやすい
● 導入時にはノウハウが必要だが、アジャイルの経験を持つ人材がいない

アジャイルのメリットである開発の柔軟性は、コントロールできる人材が不足している場合には大きな課題につながります。

例えば、プロジェクトを適切にコントロールできる人材が不在だった場面において、ステークホルダーの意見をすべて受け入れた場合、プロジェクトの方針や目的から逸れてしまうことは容易に想像できます。

また、途中で変更する前提でプロジェクトを進めるため、見積りや段取りの工程で見通しが立てにくく、プロジェクト期間の延伸や予算オーバーにつながる懸念もあります。

課題解決のためのCI&Tの「リーン・アジャイル手法」

CI&Tは、このようなアジャイル特有の課題を解決すべく「リーン・アジャイル手法」を独自開発しました。アジャイルの導入から完全アジャイル開発企業へ移行するまでの過程の中で、その課題解決に向けCI&Tが辿り着いた思考のひとつが「リーン思考」です。

- リーン・アジャイル手法とは

リーン・アジャイル手法とは、トヨタ生産方式の「リーン思考」をアジャイルに組み合わせたものです。リーン思考とは、顧客目線での「価値」を定義し、顧客へサービス・製品が渡るまでのコストや工数、時間など、それぞれの無駄な部分を取り去る思考法です。

リーン思考とアジャイルを組み合わせによって羽陽曲折ではなく直線的な開発を可能とし、アジャイル手法の課題として挙げられた軸のブレやすさの克服はもとより、コストや工数の削減を実現する付加価値を生み出します。

- CI&Tが行う「リーン・アジャイル手法」支援

CI&Tがリーン・アジャイル手法の具体的な行い方について、まずはCI&Tとそのステークホルダー全員で、リーン思考のエッセンスを取り入れたワークショップを行います。そこで意見を出し合いながら小さな目標を要所ごとに複数立て、目標に沿った計画を行うことにより、目的や方針の軸が大幅に逸れることを防ぎます。

また、これまでの実績や経験から開発工程の「複雑性」という視点から見積りをすることで、信憑性のあるスケジュールの見通しや進捗報告への活用を実現します。さらに、CI&Tが抱えている全プロジェクト共通の指標を用い、生産性や品質、課題点など、ありとあらゆる進捗を顧客と共有することで、状況を客観視することが可能です。

かつてウォーターフォールを主としていたCI&Tだからこそ、アジャイル開発においてギャップを感じたプロジェクトの計画性と透明性が、今ではリーン・アジャイル手法によって高いレベルで実現します。

ビジネスにおける「リーン・アジャイル」

three women discussing over sticker notes

リーン・アジャイル手法は、単なる開発手法には限らず、ありとあらゆるビジネスに活かすことが可能です。

リーン・アジャイルが実現させるスピード感のある意思決定プロセスや、差し当たり手を動かし状況に応じて改善を重ねるという考え方は、変化が早い現代のビジネスシーンで活かすことのできるワークフレームです。

また、CI&Tは、プロジェクトを通して、開発手法に留まらないマインドセットとしてのアジャイル導入も支援しています。リーン・アジャイル手法の導入する場合には、今までの考え方を捨て一気にアジャイルに移行することはリアリスティックではありません。CI&Tのやり方をできるところから少しずつ改善して進めていくことで、自社の文化とアジャイル手法が融合した新たなマインドセットとして浸透することが期待できます。

CI&Tのリーン・アジャイル導入によりDX化が促進した事例

CI&Tのリーン・アジャイル導入により、DX化が促進した事例をご紹介します。

導入企業
大手製薬会社      


業界特有の課題: 製薬業界は、医薬品医療機器等法(薬機法)をはじめとする極めて厳格なコンプライアンスや承認プロセスが存在するため、伝統的にウォーターフォール開発が主流でした。しかし、変化するドクターや患者のデジタルニーズに対し、開発スピードの遅さが致命的な機会損失となっていました。

リーン・アジャイルの効果: CI&Tはアステラス製薬様をはじめとする製薬企業のWebモダナイゼーションを支援。すべての承認プロセスを「あらかじめ想定されたフロー」としてリーンに再設計し、開発と並列で検証を回すことで、製薬業界に求められる厳格なガバナンスを100%維持したまま、デジタルプロダクトのリリースサイクルを劇的に加速させることに成功しています。


※関連記事リンク:製薬業界におけるアジャイル

導入企業
大手製薬会社   

【導入前の課題】
● ステークホルダー間のアジャイル開発に対する理解の差
● 多数のステークホルダーが関与することによりプロジェクトをコントロールするのが難しい

【導入後の効果】
● プロジェクトの生産性と可視性の向上によりステークホルダーにも安心感を与えられた
● KDDI全体の意識改革、アジリティと柔軟性の高い企業へと進化

KDDIでは2012年頃からアジャイル開発を社内で推進・展開しており着実に実績を積み重ねていました。しかし、企業間での取り組みなどステークホルダーが増えた場合に、アジャイル開発でのプロジェクトをコントロールすることへの難しさを感じると同時に、課題点として感じていました。

それらを解決するためCI&Tが支援に入ることで、プロジェクトの進捗状況を可視化することができ、顧客の期待値をコントロールする方法を学びました。さらにKDDI独自の仕様を加え、より扱いやすく進化したプロセス構築で顧客満足度を最大化できる体制を実現することに成功しました。

※関連記事リンク:KDDI - リーンDXで新たなプロセス構築を支援

まとめ

five people in a meeting with phones and tablets

本記事では、アジャイル開発とウォーターフォール開発の違いやCI&Tが独自開発した「リーン・アジャイル手法」の詳細と導入事例をご紹介しました。

現代のビジネスにおいて、リーン・アジャイルは単なる開発手法の枠を超え、変化が早い市場を生き抜くための強力な「ビジネス思想(マインドセット)」となっています。
 
CI&Tは、アジャイルを用いたプロジェクト開発支援はもちろん、開発に留まらないマインドセットとしてのアジャイルの導入も支援しています。今までのやり方を180度変えるのではなく、CI&Tのアジャイル手法をできるところから導入し、開発工程の最適化を図ってみてはいかがでしょうか。

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