AI: あなたの会社で成功する戦略を実装

人工知能
イノベーション

この記事の主な概要

  • スタート地点が戦略の成功を決める
  • 技術導入のコツ
  • 実験段階から抜け出し、拡張性を構築するには
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CI&T

人工知能(AI)は、数年前から市場で大きな注目を集めており、企業でも実に重要な成長を見せています。一例として、MITスローン・マネジメント・レビューの調査によると、58%の企業が、2023年までにAIがビジネスモデルに大きな変化をもたらすと予測している、と発表されています。そして、2019年のフォーブスの記事では、アメリカのトップエグゼクティブの73%が、テクノロジーへの投資を強引に拡大することを目標に掲げている、と報道しています。また、CI&Tが12月に実施した調査「Trends to transform your company in 2020」では、ブラジルの大企業の役員の49%が、ビジネスの成長にはAIが不可欠であると述べていることが明らかになりました。
 
しかし、上記のデータをもってしても、ほとんどの企業が、実験を超えた技術の使用において進歩をしていないというのが現状です。それは私たちが、AIと言われると、SFのように壮大な何かを想像してしまうためかもしれません。賢いロボットの創造等でもない限り、興味が湧かないし、無意味なものとなってしまうのです。
 
このような考え方は、AIの使用を拡大することには繋がらないかもしれませんが、企業とその顧客に大きな価値をもたらします。このテクノロジーが成熟した市場で得られる価値とは、顧客の意思決定を容易にすることができる点です。言い換えれば、よりパーソナライズされたサービスや商品の提供をするため、顧客の嗜好、欲望、ニーズを読み取ることが可能になるのです。
 
情報量が非常に多く、可能性のある選択肢が非常に多いため、解決すべき問題は、いかにしてこの情報量と無駄を減らし、関連性を提供するかということです。消費者には考える時間がありません。例えば、オンラインで靴を探している人が、自分の好みと関係のない商品を何ページも検索したりしませんよね。彼らは、自分の好みに合わせたオプションを提供するページにのみ、アクセスしたいのです。
 
ここで差をつけるのは、絞り込み検索の質とパターンを解き明かしたり、消費者の好みを予測したりする能力です。そこで、AIの登場です。この種のテクノロジーの使用は、より良い経験、より良い顧客関係、より多くのロイヤリティ、そして結果的に企業にとってより良い結果をもたらします。しかし、すでに述べたように、これらの利用はあまり関心を持たれていません。多くの企業は、AIを他のツールと同じように、インパクトそのものではなく、インパクトを生み出すためのファシリテーターとして理解することができていないのです。

今こそ、その論理を逆転させる時

私はよく、このAIによる技術的瞬間を、インターネットが登場した時と比較します。今日では、インターネットは私たちの日常生活の一部となっており、皮肉にも、インターネットが無い時にだけ、その存在を認識しているように感じます。同じことがAIでもすぐに起こるでしょう。

テクノロジーそのものに焦点を当てるのではなく、戦略の中心である顧客に提供する価値を高めるものとして考える必要があります。これは、企業内で見られるAIに関する議論の多くは、いまだに「どのようなデータを持っていて、どのような技術が必要なのか」という疑問から始まっているからです。今こそそれを転換して、顧客のニーズは何かを探し始める時です。顧客の立場になって、顧客にとっても企業にとっても最も価値のあるものは何か?これが明確になって初めて、適切なデータやAIの活用方法を探すことができます。そのスタート地点が、その戦略が成功するかどうかを左右するのです。

では、座席供給の改善を目指す航空会社を考えてみましょう。顧客から最も多く聞かれるのが、スポーツ大会やショーのチケットを買うのに最適な時間帯についての質問だとしたら、社内のデータとAIを使っても、正しい答えを出すことはできないでしょう。31B席を購入するのに最適な日は何日かという情報は提供できるかもしれませんが、そんな情報が欲しい顧客はいませんよね。初めの質問に答えるには、外部データを求める必要がありますが、それにフライトに関する内部情報や顧客の個人的な嗜好などを加えれば、AIがその潜在能力をフルに活用して旅客に真の価値を提供するための最高のツールとなるでしょう。

これらのビジョンは、企業が実験段階から抜け出し、実際にその技術を使って顧客にプラスのインパクトを与え、責任者を動かすことができるかどうかを定義するものです。

成功する戦略を実行するためのガイドライン

実際に企業の業績を押し上げるのに効果的なAI戦略の構築には、下記のポイントが基本となります;

社員の教育

まず最初に行うべきことは、研修です。テクノロジーの可能性について、社内のすべての人に教養を身につけさせなければなりません。営業、チームリーダー、プロダクトマネージャー、顧客体験に関わるチームメンバーは、AIの能力を知り、機会を見極めて活用できるようにする必要があります。一方、開発者はテクノロジーを超えて、ビジネスの課題を知る必要があります。  

サイロを打ち破る

情報をうまく流すには、サイロを破らなくてはなりません。営業担当と技術チームを団結させ、顧客サービスのプロセスについて話し合ってもらいましょう。

目標の設定と維持に加えて、知識の交換、そして多分野に渡るチーム編成が、コミュニケーション上の不要なプロセスを排除し、業務のスピードアップに繋がります。

成功のバリュー vs 失敗のコスト

企業の戦略にAIを採用する前に、次の二点について考えてください:ある質問に対する答えを得るためにテクノロジーを使用した場合、従来の方法を使用するよりも良い結果となるでしょうか?テクノロジーを導入するコストと、結果として得られる利益の両方を考慮しなければなりません。

初めは少しずつ

手始めに、解決すれば大きな価値や利益を生み出すことができるような顧客の課題を見つけましょう。さらに、戦略がうまくいかなかったとしても、顧客体験に悪影響を与えないものが望ましいです。

非常に興味深い例として、臨床分析室の顧客体験にAIツールを活用した事例があります。ここでは、顧客にとって最大の課題が検査の予約プロセスであることを突き止めました。多くの患者が、医師の手書きのメモが読めず、オンライン登録を諦め、コールセンターに助けを求めていたのです。


このソリューションを模索していた時、私達はほとんどの検査が相関関係にあることに気付きました。例えば、骨密度測定を受けようとしている人が、カルシウム値を測定するために血液検査を受ける必要があるとします。そこで考えたのが、AIを使って、関連性のある検査を予測できるレコメンドシステムを開発することでした。このように、患者は処方された検査のうちの1つを入力するだけで、登録ツールによって提供される選択肢の中から他の検査を選ぶことができます。

そしてこのレコメンドシステムを使用したテストグループは、最初の1か月間で、従来のオンラインスケジューリングを行ったグループよりも25%も多くの登録を完了していることが分かりました。結果としては:技術を使用し、プロセスをシンプルにしたことで、顧客は時間を節約でき、より良い経験へと繋がりました。臨床分析室としては、敏捷性、そしてコールセンターの構造改善と人件費の削減、そして何より、顧客の満足度を高めることに成功しました。

スケーラビリティの構築

小さな課題にAIを適用することに成功したら、もう少しリスクが大きく、より多くの価値を生み出すであろう、ビジネスの最前線でスケールを獲得する時です。

AIが大きな成果を生み出す例として、画像解析による物理的な解釈が挙げられます。産業界でのAIの導入は、生産プロセスの自動化に大きな成果をもたらします。生産ラインでは、機械(またはロボット)が現状を認識し、新しい状況に対処すれば、職員がルート変更ごとに再プログラムする必要なく、自動的に調整を行うことができます。さらに、機械が新しい情報を学習することで、より良い結果をもたらします。

実験段階から抜け出し、大きなインパクトのある結果を得るためには、消費者を戦略の中心として据え、テクノロジーを活用する準備をしておく必要があります。あなたの会社が持つ知識とAIが一緒になれば、あなたの顧客、ビジネス、そして市場の満足度をぐんと高めるような価値を生み出す大きな力を持っているのです。


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