ビジネスビジョンのない人工知能は無駄である

人工知能
イノベーション

この記事の概要:

  • テクノロジー+ビジネスがもたらす潜在的な成果
  • 価値の高いソリューションへと導くAIツールのティーチング方法
  • ビジネスとテクノロジーの整合と協調を促進するための3ステップ
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CI&T

最近、私は1つの記事を書きました。その記事は、テクノロジーの驚くべき可能性が多くの人々の興味を引き、ツールやアプリケーションの開発への投資競争を生んでいるものの、実際に会社に価値を生み出しているアクションは少ない、という気付きに基づいたものです。

最も多様なビジネスの疑問に正確に答えられるAIの能力が、時にはあやふやな表現として伝わり、何をすべきかがあいまいになったり、何が本当のゴールであるべきかのピントがぼやけてしまったりするために、このような事態が発生します。そして、デジタルという観点では、「ゴール」とは顧客のニーズを叶えることです。ここが不明確であるが故に、テクノロジーは単に好奇心を満足させるために使われることも多く、ビジネスと顧客にインパクトをもたらす効果的なソリューション開発のために正しく活用されることが少ないのです。

テクノロジーの専門家が、単なる好奇心と、価値を生み出すデータとの違いを正しく理解するには、抽出された情報がどのように使われるかを考えてみることが大切です。例えば消費者プロフィールを知りたい場合、正しいデータ入力とプログラミングがあれば、AIツールは確実にこれに答えることができるでしょう。人口統計グループや、その他の分類にグループ分けすることだって可能です。しかし、ここで「その情報を何に使うか」ということがキーになります。これに対する明確な答えがない場合や、継続した戦略がない場合は、いくらAIを使っても無駄となります。この場合、よりシンプルかつ安価な他のツールでも、同じ答えを得ることができるでしょう。

テクノロジー+ビジネスがもたらす潜在的な成果

テクノロジーを利用すると決めた後、次にテクノロジーと開発担当者が理解すべきなのは、「ビジネス、ビジネス知識、消費者ニーズの知識から逃れる方法はない」ということです。私たちの役割は、様々な専門分野を持つメンバーが協調的に価値を創出できるようにすることです。これは、プログラムしたコマンドを実行するソフトウェアがますます少なくなり、学習できるテクノロジーを想像することがより増えているからです。

つまり、テクノロジーは静的応答を提示する従来のソフトウェアではない、ということに留意すべきだということです。結果は流動的なもので、時間の経過につれて変化します。さらに、似たような状況であっても、これまでとは異なる結果となる可能性もあります。こうした側面の全てが、直接AIに組み込まれなければなりません。そして組み込む作業を支援し、関連するものを正しく把握し、さらにソフトウェアが学習すべきことを教えられるのは、ビジネスの専門家なのです。

どのような問題ならツールで解決可能なのか、どのような質問に答えられるようにするべきかなどについて、見解を提供できるのはビジネス担当者です。そのため開発担当者は開発前にビジネスチームと話し合い、学習のタイプやプログラムすべき道筋を、あらかじめ認識しておく必要があります。

正しい答えを得るためのソフトウェアのティーチング

私は通常、AIソフトウェアのティーチングをするタイミングを、同じタスクを遂行する新人専門家のトレーニングと揃えます。背景にあるアイデアが同じだからです。新人研修の時には、何が正しい答えかはあえて言わず、正しい答えを見極める方法を教えます。変動性が高く急速に変化する現代社会においては、これは効果的です。

例として、eコマースの会社がバーチャルサービスの改善を考えていると想像してみましょう。最初にすべきことは、ビジネスチームに消費者の悩みに対応するトレーニングを実際に受けさせながら、一緒に、段階的にすべきことを理解することです。たとえば、購買の評価プログラムに問題がある場合、トレーニング出席者はまず、顧客の身元を確認する必要があります。次に、購入が行われた場合は、請求書の写真を要求します。これらのステップが済んだら、そのポイントのクレジットが顧客のアカウントに入ります。

こうしたことや、実際の対応プロセスの一部となる他のパターンを知ることで、ソフトウェアに同じことをするよう教え込む方法が分かります。しかし、一連の質問から、常に欲しい回答が生まれるわけではありません。そのため、チームが実際のサービスを観察し、消費者が感じる新たな疑問や課題への解決方法を予測する知見を得るのです。

チーム間のつながりを促進するための3つのヒント

前述したように、この知識を得るためには、IT担当者とビジネス担当者との間に協調的な考え方を導入する必要があります。つまり、共同セッションを行い、問題を解決するデザイン思考を養うことに加えて、定期的に会話をする機会を設けることで、現状に従って方向性を修正する必要があります。

テクノロジーのリーダーがこうした協力体制を構築し、経験をシェアして価値を生み出すべく、いくつかの対策を講じる必要があります。

ビジネスパートナーシップを確立:ビジネスエリアの中で革新的な経歴を持つ人物や、クリティカルなビジネス課題の解決に興味がある人物を特定する必要があります。彼らは良い味方であり、支えてくれるパートナーとなります。さらに、ビジネス課題を解決するためにツールをどのように使うか、また、このソリューションが会社にもたらす価値について幅広い見解を提供してくれます。

その一方、テクノロジーチームは、AIテクノロジーの可能性に関する学び、内容、背景などを提供しなければなりません。こうして、ビジネス担当者と新たなソリューションについて話し合うことで、価値を高めながらAIを適用する準備が整います。

誰にでも分かりやすく説明する:AIの多様な可能性について説明する際、リーダーや開発者はつい学術用語や専門用語を多用してしまいがちです。これでは、コミュニケーションの障害となってしまいます。

そのため、(評価の尺度の)ROC曲線について、偽陰性(検出漏れ)、偽陽性(誤検出)などの用語の使用は、その話題について理解が十分に深まるまで取っておきましょう。ただし、複雑なものを分かりやすく説明するためには、そのテーマについて十分に精通していなければなりません。適切に理解してもらうため、正しい言葉やたとえを使用することが必要です。また、説明すること自体が難しい場合は、自分自身がさらに勉強する必要があります。テーマにより深く切り込んでみてください。

新たなソリューションの価値とコストについてじっくりと考える:ビジネスチームとテクノロジーチームの間で足並みをそろえるために、正しい対応から得られるバリューと、間違った対応をした時のコストについて、一緒によく検討することが大切です。言い換えると、AIテクノロジーを使用したいというチームの意図に関わらず、ツールで生成された学習で発生し得る利益よりも、実装コストが低いかどうかを査定することが常に重要です。ここで、本記事の冒頭で紹介した考えを思い出してみましょう。:可能だからといって、必ずしも道理にかなっているわけではありません。

こうして、顧客への価値の提供をさらに強化し、会社にインパクトの強い成果をもたらすAIソリューションが開発され、さらに知識は増えていきます。会社がチャンスを見極めて有効に活用し、利用可能なテクノロジーを使用して真のイノベーションを進め、顧客を喜ばせることができるのは、集団知能を通してこそなのです


CI&T

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