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[リーンDX1] ビジネス目標と成果 | DXへの基礎

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CI&Tが掲げる、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を成功させるための3つのポイント「ビジネス目標と成果」「アジャイルプロセスとテクノロジー」「人材」の中でも、「ビジネス目標と成果」はDXプロジェクトを行う上で一番初めに考えるべきものです。ここでは、プロジェクトを通して何を実現したいのか、プロジェクト内の目標として設定します。

私たちは、名だたる大企業のDX成功を支えてきた長年の経験から、どのようなビジネス成果が企業にとって価値のあるものであるかを把握した上で、明確な目標を設定しなければ、真のトランスフォーメーションは実現できないことに気付きました。

本記事は、「ビジネス目標と成果」に焦点を当て、企業やプロジェクトチームのDX成功を妨げる可能性が高い二つの大きな問題と、その解決策をお届けします。

1. DXに向けた目標設定が曖昧

DX導入を検討する企業の中には、「DXを会社に導入する」や 「何かデジタルツールを使い始める」などを目標として掲げるケースがあります。しかし、「DXの導入」や「デジタル化」自体は、ビジネス目標としては曖昧で、不充分です。DXとは、デジタルツールの導入だけでなく、組織体制、文化、風土、プロセスなど、いくつもの変革成功事例を重ねた結果として達成されるものです。単にDX自体を目標にしてしまうと、達成までのプロセスや成功の定義が分からず、挫折してしまう可能性があります。

明確なビジネス目標をたてるには?

CI&Tではプロジェクトを通して、デザインツール(デザイン思考やバリューエンジニアリングなど)を用いたワークショップを数回開催します。そこでは、クライアントや関係者全員が目標を明確にし、プロジェクトにおける課題と、実現すべきビジネス成果を理解することを目的としています。そしてそれらの答えをもとに、「何がビジネスを成長させるのか?」「次は何をすべきか?」 を明確にすることで、クライアントのビジネス目標をより洗練された、価値創造に繋がるものにすることができます。

また、ワークショップだけでなく、リーン生産方式から生まれた「A3プロセス」も課題解決に役立つ強力な経営ツールです。チームで洗い出した課題や根本的原因、中長期的な目標を、A3用紙にまとめることで、戦略立ての際に役立ちます。また、初期の課題・目標と進捗を照らし合わせることで、継続的な改善にも繋がります。

DXやデジタルシフトなどの、一見目標設定が難しそうなプロジェクトにおいても、上記で紹介したデザインツールや手法を用いることで、チーム全体の士気を高め、方向性を統一するのを助けるだけでなく、プロジェクトの「成功」を定義するのにも役立ちます。また、チーム全員が話し合いに参加することで、コミュニケーションを促し、視点が増えることでよりクリエイティブなアイデアが生まれます。

優秀なチームと最新のデジタルツール、最高のプロセスを持っていても、ビジネス目標が明確でなければ、成功への道は開けません。

橋永ローズ CI&T シニア・オペレーショントランスフォーメーションマネージャー

2. DXは、なんでも解決してくれる魔法のツールではない

DXはどんな問題もすぐに、簡単に解決してくれる魔法のツールで、一度導入すればずっと活用できるものであると考える人もいます。しかし前述したように、DXはゴールでもなければ、お店で買えるツールでもありません。DXは、ビジネスや目的によって形が違うものなのです。

継続的にPDCAを回すことが大切

DXから業績を向上させるためには、プロセスや働き方、最新の技術を導入するだけでなく、組織全体のメンタリティを変える必要があります。そして、実際にDXに取り組んだことのあるCEOの多くが、デジタルツールの導入自体は簡単だったと話しました。予算に余裕があれば、それを最先端のツールやコンサルタントにあてがうこともできます。DXにおける課題は、持続可能な方法で、イノベーティブなプロジェクトを全社規模で実践することです。変革は、企業文化などDNAレベルで行われる必要があるのです。

また、DXでビジネスに継続的に良い成果をもらたすために、CI&Tでは、社内でも下記5つの重要なステップから成るサイクルを常に回しています。

  1. マスター戦略:戦略に対する仮説を立て、サイクルを回す。全ステップから得た結果をもとに検証を行い、次サイクルへの仮説を立てる。
  2. Hoshin(方針):企業が求めるビジネス成果や目標を踏まえて、戦略立てとマインドセットのすり合わせを行う。
  3. Kanri(管理):新しいコンピテンシー(専門知識や技術、ノウハウ、基礎能力など)を実践し、プロジェクトの安全性を管理する。
  4. PDCA+OKR:最終的な目標に辿り着くまでに、短期的な目標をいくつも立てる。それらを実践、測定、結果の分析、学習・改善を経て1つずつ達成して最終的に目標達成を目指す。
  5. 振り返り + 再設定:DXの取り組みから得た成果について、振り返りを実施。戦略へのフィードバックからチーム体制や戦略の改善を行う。

DXは、一度導入すれば良いものではありません。社会が絶えず変化していく中で、企業もそれに合わせてトランスフォーメーションを繰り返していく必要があるのです。トランスフォーメーションを止めると、企業の成長はそこで止まってしまいます。

企業のDXは、人(社員)のトランスフォーメーションから始まります。人が変化を起こしていく必要があるのです。最終的なゴールに向けて、明確な目標を小さく、いくつも設定することが、進捗状況をうまく把握し、チームのモチベーションを維持して前進するための鍵となります。一歩ずつ、やりながら学ぶことです。

塚原 イングリド CI&T クオリティマネージャー

DX推進の土台となるビジネス目標

DXは、継続的なテストと学び(Try and Learn)、そしていくつもの成功を重ねた結果として生まれるものです。良い結果を得るためには、自分たちが望むビジネス成果を明確にし、それに向かって、改善を続ける必要があります。しかし、目標を達成して終わりではありません。その後も成長を続けるためには、次に達成したい新たな目標を見つける必要があります。ぜひ、CI&Tまでご相談ください。プロジェクトを通じて、貴社のDX推進を企画から運用まで、一貫してサポートいたします。

どのような組織においても、常に継続的な成長と変革を視野に入れるべきであると考えています。特に、今世界が受けている新型コロナの影響と、企業がそれに適応するためにどれだけの変化を余儀なくされたかを考えると、DXの必要性を強く感じています。このような状況において、「正解」はありません。継続的に挑戦し、学び、成果を得られるまで改善していくことを厭わない組織こそが、成功を収めることができるのではないでしょうか。

岡田 健太郎 CI&T シニア・ビジネスグロースマネージャー


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