ニアショア:コスト削減や人材確保を超える文化的メリット

2023年8月22日 | 分程度で読める記事です
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IT業界では、バズワード、専門用語、略語など、新しい言葉が日常的に飛び交っています。グローバル化、インテグレーション、ネットワーク化が進む中、国を超えた交流へのハードルがますます低くなっています。このような時代において、企業がオフショアやアウトソーシングを活用することはよく耳にするのではないでしょうか。しかし近年、新型コロナウイルスの大流行を受けて見られるようになった傾向の一つとして、多くの企業が「ニアショア」と呼ばれるサービスモデルに目を向けるようになったという点が挙げられます。

新型コロナウイルスの流行がニアショア・オフショア文化に与えた影響
コロナ流行が始まってからの数年間で、職場文化は劇的に変化しました。リモートワークの効率性が実証され、多くの企業はビジネスを維持するためにクラウドや分散型テクノロジーの採用を余儀なくされました。その結果として、これまでオフショアを採用してきた企業は特に、いかにそれまでのプロセスが生産的になったかを実感しているのではないでしょうか。さらに、IT業界の大リストラもあり、多くの企業は人財の確保や雇用に奔走する一方、新しい時代の職場文化に対応するテクノロジーを導入し、DX推進を加速させる準備に取り組んでいます。実際に、日本でコロナが五類に引き下げられた後も、リモートでのワークスタイルを選択肢として社員に提供している企業が多く見られます。

ニアショアでは、遠い国にある組織(日本の場合は、中南米やヨーロッパ諸国など)とオフショアリングする代わりに、タイムゾーンや文化などが自国に近い組織や人材を採用することで、より効率的にコラボレーションを図ることが可能になります。



ニアショアとは?
ニアショアとは、リモートワークやコミュニケーションツールを活用し、熟練した人材を近隣諸国から調達することで、企業の能力を飛躍的に向上させることを目指します。ニアショアは、遠い国にある組織とオフショアをする代わりに、自国に近い組織や人材を探し、チームが交流し、タイムゾーンや文化の違いから起こる問題を最小限に押さえ、協業をすることで、より効率的にその効果を高めることを可能にします。また、ニアショアは、スキル不足に対処するための新たな人材プールを活用したり、現地チームとの統合・最適化を可能にしたり、社外の新たな視点を取り入れることでビジネストランスフォーメーションを促進するなど、企業が自国で直面する問題に対する解決策を提供してくれるツールにもなります。

日本について

独自の企業文化や市場が発展している日本

日本のビジネスや市場は、世界から見ても非常にユニークであり、他国のものとは異なった考え方や企業文化、消費者の好みやニーズも存在します。そのため、オフショアを採用し、海外チームと連携してのビジネス戦略の構築やプラットフォーム・アプリなどのデジタル製品の開発においては、様々な考え方の違いから、日本における最善のソリューションを構築する上で、ギャップが生じてしまうことがあります。

例えば、意思決定やコミュニケーションに関して言えば、多くの日本企業では、情報が上から下へと流れる傾向があり、合意形成や意思決定プロセスが時間を要する場合があります。一方、海外企業の多くでは、より迅速な意思決定を行うことを重要視しており、フラットなコミュニケーションが行われる傾向にあります。これは、リスクとイノベーションに関する考え方の違いから来るものかもしれません。日本企業は一般にリスク回避の文化が根付いており、安定性や品質の維持を重視する傾向があります。一方、海外企業ではイノベーションを奨励することが主流となっており、リスクを取ってでも新しいアイデアやビジネスモデルの探求が行われることがあります。消費者の好みについても同じように、海外で人気の商品やコンテンツ、デザインが必ずしも日本でも同じように受け入れられるとは限りません。

このように、その国や地域特有の文化や好みは、どれが良い・悪いというものではなく、ビジネスを行う上で考慮し、適切なレベルで寄り添っていかなければならない大切なポイントの1つです。実際に、海外で成果を残している手法やモデルをそのまま日本のビジネスに当てはめても、想定していた結果が得られないケースも多く見られます。

ニアショアで、その国や地域に寄り添ったソリューションを
CI&Tは、ブラジルに本社を置き、米国でも数多くのプロジェクトをサポートしてきたグローバル・デジタルスペシャリストです。しかし、日本のクライアントのチームには、日本のニーズに寄り添ったソリューションを提供するために、日本人を含む、日本のビジネスを理解したCI&T Japanチームがプロジェクトを請け負います。このように、サービスを提供する国や地域にチームが存在することで、言語や時差だけでなく、文化や消費者の好みなどの部分についても、クライアントとの理解のギャップを減らし、その土地柄に合ったものを構築できるのです。

実際にCI&Tと製品発注のための社内システムを構築したニューベイシブ社は、米国に本社を置く脊髄手術器具に特化した世界最大のテクノロジー企業です。同社の日本オフィスで使用される発注システムの構築プロジェクトを、ニューベイシブ米国本社チームとも連携しながら進めました。ニューベイシブ社の日本チームは当初、海外支社で活用されていたシステムでは日本のビジネスモデルに対応できないという課題を抱えていました。そこでCI&Tが架け橋となり、日本のビジネスについて米国本社側へ説明をしながらプロジェクトを進め、実際にそのシステムを利用する日本オフィスの社員の意見やニーズを取り入れたシステムを構築することに成功しました。CI&Tの米国チームも加わったことで、ニューベイシブ社の米国チームと日本チーム、両方とのコミュニケーションの円滑化にも繋がりました。この製品発注システムは、その後米国本社を含むニューベイシブの海外拠点でも採用されましたが、その際には、その国のニーズに合わせたカスタマイズが組み込まれました。事例ページはこちら



海外のベストプラクティスを取り入れて競争力を強化
ここまで、言語、タイムゾーン、文化への理解をはじめとする、ニアショアを採用するメリットについて挙げました。しかし、企業にとっては、国内に合わせたソリューションだけでなく、海外で主流となっているマインドセットや手法を取り入れるなど、競合他社にはない強みを持ち、競争力を強化することも重要です。デジタル上でのコンテンツやサービスの提供が主流となってきている現代において、データを分析して消費者の傾向を知り、スピード感を持って新しいものを市場に提供することは、競争に勝ち抜く上で不可欠です。スピードを重視する傾向にある多くの海外企業のマインドセットを、最善の範囲で、品質を重視する日本のワークフローに取り入れることができれば、これほど強いものはないのではないでしょうか。

CI&T Japanをリードする、デジタルソリューション・ディレクター 橋永は、日系ブラジル人であり、CI&Tのブラジル本社でキャリアをスタートして約21年、数々のプロジェクトをけん引してきました。今年(2023年)で来日して7年、日本企業のDXをサポートしてきた経験について、次のように述べました。

『日本のビジネスは、日本の文化と同様に非常にユニークです。そこで、まさに私たちCI&Tが日本のクライアントに提案しているのが、「Think Global, Act Local(グローバルに考え、ローカルに実践する)」という考え方です。私の日本での数年間の経験を振り返ってみると、日本企業の丁寧さや誠実さ、中途半端はなく、成果を追い求める姿勢などに感銘を受けました。日本のビジネスにおいてDXが実現できるようになったときには、素晴らしい結果がもたらされることを確信しています。』


CI&Tについて
CI&T(NYSE:CINT)は、グローバルに活躍するデジタルスペシャリストとして、100社以上の大企業や急成長企業のクライアントに対して、エンドツーエンドのデジタル変革を実現するパートナーです。私たちはデジタルネイティブであり、28年にわたり、拡張性の高いデジタルソリューションを通じてビジネスインパクトを提供し続けています。CI&Tは世界9カ国に展開し、ニアショアの開発を提供しており、戦略、データサイエンス、AI、デザイン、エンジニアリングを提供し、トップラインの成長を促進し、顧客体験を向上させ、業務効率化を推進しています。CI&TはForrester社からモダンアプリケーション開発サービスのリーダーとして認定されており、6,500人以上のプロフェッショナルに選ばれる雇用主として知られています。


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