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プロスポーツリーグ:企業と顧客にもたらしたメリット

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当時の状況

2019年初頭、アメリカのプロスポーツリーグで、コンテンツ管理システム(CMS)とEコマースプラットフォームをGoogle Cloud Platform(GCP)に移行するという決断が下されました。プロスポーツリーグがこの移行を決断した理由は、古いシステムの維持が難しくなってきたからです。また、サイトで情報を検索したり、チームに関連する商品を購入したりする際に、より良いユーザー体験を顧客に提供したいと考えていました。Google は、システム導入パートナーである CI&T にプログラムの実行支援を依頼しました。

課題

当初は、スコーピング、タイミング、リソースの確保など、多くの課題を抱えていました。約1,200台の仮想マシン(VM)の移行として開始されたものが、クラウドでの2つの新製品の立ち上げからなる大規模なプログラムへと変化し、迅速な開発が求められました。CI&Tは当初、プログラムのスコープを、「クラウドセットアップに1か月、移行で3か月」と設定していました。しかし、トレーニングシーズンを目前に控え、ウェブサイトへの流入が大幅に増加していたため、スケジュールを急遽縮めることになりました。時間が非常に重要だったのです。

また、リソースの問題もありました。当初、リーグのインフラチームは小規模で比較的新しいチームであったため、リーグのスタッフ内のGCPの技術的な専門知識が限られていました。さらに、技術チームは、すでに組織全体で複数のプロジェクトを抱えていました。

ソリューション

このような課題を抱え、CI&Tはクラウド移行、DevOps、GitOpsの専門知識を提供し、インフラ関連の様々なプロセスを自動化し、新しいアプリケーションをクラウドに展開しました。CI&Tは、アプリケーションの配信に関わる社内外のさまざまな開発チームをサポートし、開発ライフサイクルを通じて、複数の環境でのアプリケーションの運用管理を行いました。

インフラストラクチャの自動化、監視、運用観点からの支援は、単なる始まりに過ぎません。加えて、開発チームがクラウドを最大限に活用できるように、開発サイクルを短縮し、新機能や修正をより迅速に本番環境に展開するための継続的なインテグレーションとデプロイメントツールを提供しました。

当初はGoogle Compute Engine Virtual Machinesを使用してプロビジョニングを依頼されていたEコマースプラットフォームは、すぐにマイクロサービスを進化させ、より強力で費用対効果の高い代替手段、Google Kubernetes Engine(GKE)に移行しました。また、コンテンツ用のGoogle Cloud SQLマネージドデータベースサービスやGoogle Cloud Storageなど、その他のGoogle Cloud Platformサービスも利用しました。CMSについては、より複雑なアーキテクチャを考慮して、Google Container Engine (GKE)の複数地域へのデプロイとMongoDBの複数地域へのデプロイも構築しました。

結果

1. 何百人ものファンの顧客体験向上に成功

移行と実装は、リーグだけでなく、顧客にも大きなメリットがありました。これは、リーグの開幕日とその週末に何百万人もの訪問者がサイトに殺到したことで実現した、シームレスで常時稼働が可能な顧客体験となりました。その週末には、新システムは3億以上のリクエストをCMS内で滞りなく処理することに成功。約7000万のネット取引も、データの損失やビジネスの中断なしに処理することができました。リーグのテレビネットワークの購読更新も、総額5,000万ドルの収益を上げ、開幕前にスムーズに進みました。

CI&Tは、スケーラブルで可用性が高く、自己修正が可能なインフラストラクチャを構築する上で、GCPの利点を活用しましたが、技術的に最も大きな影響を与えたのは、信頼性の高い自動フェイルオーバー機能のために複雑なワークロードを米国全体に簡単に分散できるようになったことです。

2. 提供スピードの向上

プロスポーツリーグは、8週間足らずでGCP上での初のプロジェクトを実現し、開発ライフサイクルにおける環境の基礎となるインフラストラクチャのすべてが完全に自動化された状態で、Eコマースサービスを実際に提供することができました。 8週間の期間内に、開発チームは、変更内容の公開、既存環境のティアダウンと再構築、レプリケーションと自動スケーリングの設定の制御、を非常にシンプルな方法で行うことができ、テンポの速い開発と短いフィードバックサイクルを実現することができました。

このクラウド移行は、全ての人にメリットをもたらしました。