旅行・宿泊業のデジタルトレンド8選|2022

2022年2月09日 | 分程度で読める記事です
By

CI&T

新型コロナウイルスの流行は、業界や地域を問わず、企業体制やビジネスのあり方を大きく変える要因となりました。技術や働き方が、数か月で数年分も進化した(または、そうせざるを得なかった)とも言われています。ほとんどの企業が、顧客とのやり取りやサプライチェーン、社内業務のデジタル化により一層力を入れるようになりました。テクノロジー、さらに言えばデジタルトランスフォーメーション(DX)の役割が、飛躍的に拡大したと言えます。この突然の変化に素早く対応し、テクノロジーにうまく投資した企業は、ビジネスの成長と、市場での競争力がぐっと高まったと報告されています。そのためには、より高度なテクノロジーの活用、計画から実践までのスピード、イノベーションと同様に、新しい戦略や考え方が必要とされています。中でも観光と宿泊業は、市場のニッチに適応するために、最もデジタルトランスフォーメーションを必要とする産業の一つです。その一例として、観光・宿泊業界をけん引する主要企業が行っている8つの主なトレンドとデジタルトランスフォーメーションをご紹介します。

1. AIが旅行の計画立てをサポート

旅行予約サイトやアプリがAI技術を導入し、チャットボットやバーチャルアシスタントなどを通じて、予約を行う前の情報提供から、予約をするプロセス、そして予約後のケアまで、一貫して顧客をサポートすることが期待されています。AIは、個人の過去の旅行履歴に基づいて、その人に合ったプランを提案し、適切な旅行計画を立てる手助けをします。顧客の計画をさらに支援するために、Hipmunk(米国の旅行代理店。現在はSAP Concur社の一部)は、「Hello Hipmunk」というバーチャル旅行代理店(アプリ)を立ち上げ、FacebookとSlackの両方でサービスを利用できるようにしました。このアプリは、以下の2つの機能を備えています:
1. Hello Email:ユーザーがフライトやホテルについて、メールでチャットボットやオペレーターに問い合わせることができる。
2. Hello Calendar:ユーザーのカレンダーをAIがチェックし、フライト、ホテル、レンタカーの選択肢を提示する。

2. ひとりひとりに合わせた旅行プランの提供

旅行を計画するにあたって、目的地やプランの選択肢が多すぎて、選ぶことにストレスを感じる人も多くいます。しかし、代理店ならその課題を解決できます。過去にその旅行者が選んだ目的地を分析し、ニーズにぴったり合う、カスタマイズされたプランを提案することができるのです。顧客をセグメントすること自体は、業界では特に目新しいものではありませんが、顧客ひとりひとりのためにカスタマイズしたサービスを提供することは、顧客との距離を縮め、ロイヤリティを高めるために非常に有効です。ユーザーはオンラインで、「旅行で行きたい場所リスト」を作成するなど、顧客のオンライン行動もますます重要となってきています。もし、企業がこれらのリストを理解することができれば、カスタムメイドの旅行プランを提供したり、パーソナライズされた方法で顧客と接触したりでき、エンゲージメントを高めることに繋がるでしょう。

3. SNSが旅行における意思決定にもたらす影響

a woman in a hotel room looking outsite of the window

SNSは、旅行全体を通じて重要な役割を果たしています。SNSユーザーの多くが、旅行先を検索したり、おすすめを探したりしています。休暇の際には、多くの人が写真を投稿し、アプリやレビューサイトを通じて自分の体験を共有することで、それらが強力なコンテンツとなり、情報を求めている他のインターネットユーザーに利用されるのです。友人や家族が紹介するオンラインコンテンツが実際の旅行の意思決定に与える影響は、特にミレニアル世代で強く、89%がアプリに投稿された写真に基づいて旅行を計画すると答え、97%が旅行中に写真や動画を共有しています。しかし、このような意思決定方法には欠点もあります。その場所の写真を見て自分も行ってみようと思った観光客で急に混雑し、その自治体や住民の生活が苦しくなることもあるようです。

4. バーチャルリアリティ(VR)

バーチャルリアリティ(VR)技術を旅行ポータルに取り入れることは、確実にトレンドになっています。旅行会社は、旅行先やホテルの選択からフライトの予約まで、予約プロセス全体を通じて旅行者をサポートすることが可能になります。宿泊施設は、旅行者が客室やスパ、イベントスペース等を予約する動機付けとして、施設内でVRを利用することができます。また、「バーチャルツアー」を準備すれば、旅行者は宿泊先の雰囲気を知ることができ、スイートルーム、ジム、バー等を含む施設を事前に探索することができます。航空会社の中には、ファーストクラスのアメニティを宣伝するためにVRを利用しているところもあります。ファーストクラスのチェックインの工程、ラウンジ、または機内を紹介し、それによって顧客がフライトの予約にアメニティを追加することを促します。また、企業の実地訓練施設ではスペースに限りがあるため、VRは機内や滑走路の訓練に最適なツールとして活用されています。

5. 業界における、人材活用の最適化

新型コロナウイルスの流行は経済にもダメージを与え、出張や移動の制限により、企業はコスト削減を余儀なくされました。そのため、多くの企業が労働力を効率化する構造改革を行っています。例えば、空港スタッフの削減のためのオンラインチェックインやチケット購入サービスの導入などです。現在、旅客機のメンテナンスに関しても、オンラインシステムなどを活用し、スケジューリングや人員配置を最適化している企業が増えてきています。旅行会社では、デジタル技術の活用が進み、DXカスタマーサービス、実店舗の縮小、顧客とのビデオ通話などが積極的に行われています。

6. オンラインツアーへのニーズ・興味の高まり

a father and a daughter playing with virtual reality goggles

VRのところでも少し紹介しましたが、近い将来、人々はオンラインを通して事前に体験した後で、観光地を選ぶようになるでしょう。また、旅行会社は、顧客の意思決定や選択を容易にするために、より多くのバーチャルツアーや体験を準備しています。例えば、コロナによる移動制限のために大多数が入れない、あるいは訪れることができない国や地域へのバーチャル訪問なども行われ始めています。

7. 顧客対応やサプライチェーンの自動化

新型コロナウイルスが発生してすぐ、企業は取引先や顧客とのやり取りに関するデジタル化を3〜4年分早めることを余儀なくされました。また、サプライチェーンや社内業務も迅速に更新されました。ルームサービスロボットはその一例です。最近、中国のホテル大手2社が「エクセルランド」というメーカーに出資し、すでに3,000台のロボットが稼動しています。もう一つの例は、ホテル、航空会社、予約サイトなどによる、CXを向上させるチャットボットの利用拡大です。旅行者は旅のあらゆる段階で業者とチャットすることができ、この種のコミュニケーションをトラブルなく行えるようになったAIの進歩により、自分がロボットと話していることに気づかないこともあるほどです。調査によると、「チャットボット」で行われた検索は、過去5年間で121%も増加しているそうです。

8. サステナビリティ

Skift(https://skift.com/)が、これからのサステナブルな旅について次のようにコメントをしました。「安全性やサステナビリティを追求しつつも、各地域の気候や生活の質を破壊することなく、移動をしたり、世界を旅するという体験ができるようになるのです。」
セキュリティの面では、空港での顔認証が現実のものとなりつつあります。このシステムを導入する航空会社や空港は、近年ますます増えています。企業や政府機関は、この技術を旅行の安全性に役立つものとして推奨しています。しかし、この技術が悪用されないか懸念する、プライバシー擁護の声も挙がっています。

新型コロナウイルスの流行が、業界にもたらした変革

この2年程で、観光業、ひいてはホスピタリティ産業には、歴史上かつてないほど変化が起きました。一晩にして、すべての旅行が中止され、客室稼働率は急落しました。荒廃と不確実性が高まる中での営業はリスクも大きく、かなりの損失が発生しました。この状況下で、無傷で済んだ企業は無いに等しいでしょう。この未曾有の危機を乗り切った観光業界の人々は、その教訓を生かして経営再建を図りながら、今も学び続けているのです。回復には時間がかかり、まだまだ困難が立ちはだかります。何はともあれ、今となっては、専門家たちは市場の再編成と観光産業の発展可能性について、肯定的な見解を示しています。

CI&Tは企業のデジタルトランスフォーメーションパートナーとして、イノベーションへの取り組みを全面的にサポートします。今の状況からもう一歩抜け出し、より変化に強い企業となるには、顧客のニーズを理解し、常にそれらに応え続けることが重要です。私たちは、最新のデジタルソリューションでお客様の強みをより一層強力なものにする支援をいたします:https://ciandt.com/jp/ja/product-ready

CI&Tの提供サービスや事例などについて知りたい方は、以下のページをご覧ください。
提供サービス:https://ciandt.com/jp/ja/what-we-do/digital-transformation
事例:https://ciandt.com/jp/ja/our-work

より詳しいサービスについてのご質問・ご相談は、こちらのフォームよりお問い合わせください:


CI&T logo

CI&T